FAQ
学校について
開校記念講座で寄せられたみなさまのご質問を掲載しております.

Q  デザイナーでなくても、あるいはデザイナーを目指していなくても受講できますか?(編集者)
A  今回、編集者や全く違う分野の方から、こうした問い合わせが多く、私としても驚いております。あくまでデザインの技術や方法論などを勉強する学校として考えておりますが、そこから見えてくる考え方やデザイナーとしての論理を勉強したいとお考えでしたら受講して下さい。今回の公開講座の中でもありましたが、様々な分野の方が集まるコミュニティとしての学校の可能性を期待する若者もおりましたし、多様な角度からデザインについて考えられる刺激にもなると思います。また本人がデザイナーでなくとも、デザイナーに発注する立場にあるプランナーや編集者の方などには非常に有益な授業だと思います。ただし受講するのであればデザインの技術も一緒に勉強して頂くことが良いのではないかと考えます。デザイナーとしても立派に通用できるように全力でフォローします。

Q  私はデザインを勉強したことはないのですがブックデザインを中心にデザインの意義を学びたいと思います。1年28回前後と限られた時間の中で思想と実技のバランスをどのように考えておられるでしょうか?(イラストレーター)
A  私は皆さんに高らかに誇れる様な確固たるデザイン論や思想は持っていません。しかし今回の授業プログラムの中で技術やそれに即した考え方を学び、思想やデザイン方法論は皆さん自身が少しでも学び取れる様にしたつもりではあります。技術を学ぶ中で感じた事や考えた事をその都度、私達と話すといった形が最適だと思います。

Q  応募したいと思い、募集要項を拝見しましたが作品の添付と書いてあります。自分の作品レベルがあまり高くないと思い受かるかどうか心配しています。しかし問題点をはっきりさせる事や確実に通る為には、やはり添付した方がいいのでしょうか?また、そういった作品に対して個別の面接でご相談させていただけるのでしょうか?
A  お考えの通りです。恐れず作品をお送り下さい。私達も事前にお送り頂く事で皆さんの状況を把握する事ができます。個別にご相談を希望される場合はウェブよりお申し込み下さい。直接お会いします。

Q  佐藤先生の研究室が教室になることも?とのお話がありましたが、例えば研究室の学生さんと共同で何かを制作したり、セッションできたら面白いと思いますが、そういった可能性はあるのでしょうか?
A  佐藤先生は、学内の様々な分野に広げていけたらとも仰られていました。またそれで面白いセッションが出来るなら、その可能性はあるのではないでしょうか。後日佐藤先生に聞いてみたいと思います。

Q  受講料の分割納入について詳しく知りたいです。
A  3月初旬にHP、メルマガにて決定事項をご連絡します。

Q  学生証が発行されるのでしょうか?
A  学校法人ではないので学割などに適用される学生証はご用意できません。修了証はご用意する事を考えています。

Q  労働給付金は適用されるのでしょうか?
A  残念ながら考えていませんので、対象外の学校となります。

Q  仕事が忙しく欠席する事もやむ負えない状況があると思うのですが、その休んだ回の内容について後日なんらかの形でフォローしてもらえますか?また欠席してしまった場合、その回のテキストなりを後日頂けますか?1回分出席できないということで、もう追いつけないという感じにならないか心配です。
A  私の事務所のスタッフも常駐すると思いますのでレジュメ等を後日にお渡しする事は可能だと思います。後日フォローするという事ですが、程度にもよりますがスタッフや生徒、また講師の方と各個人でお話すれば充分に可能だと思います。

Q  働きながら学ぶ学校として、他の学校との違いはどの様な事ですか?
A  この学校は他とは違う独特なカリキュラム編成にあると思います。働きながらでも、この様な内容の勉強が出来る学校が、他にあるでしょうか。

Q  実際仕事をしている人であれば仕事をしてゆくなかで学べることもあると思いますが、あえてここで取り上げる意味とは何でしょうか?
A  1つの事務所の中で「自分は何でも分かっている」と思えない人、もっと外を見たい、深く知りたいという人のために授業を構成しています。職場や、またはデザイナー仲間だけでは学べない事が今回の講義の内容に多くあると思います。また私自身が勉強したい学校になる様にと考えて、その実現まで努力しました。ご質問の中にある「仕事をしてゆく中で学べる事」近年、言葉を交わしながら伝え合う事も職場で失われてきていませんか。

Q  デザインの専門教育を受けてない人を、掬い取る意味合いもあるのでしょうか?つまり大学以上に各個人に大きな差異がでてくると思いますが、そのフォローはどう考えられていますか?
A  公開講座でも、この質問は取り上げました。確かに仰る通りな部分もあります。私の夢は非常に小さいながらも志しの高い人が集まり、社会にその活動が発信できる様な形にしていきたいと思っています。ですから、より高いレベルの人に集まってもらいたい。これが本心です。ですが現実的に見れば、現時点ではそういった差異は少なからず生まれるとも思っています。私から見て潜在的な力を持っている方が、なんらかの原因でたち遅れているのであれば、技術的フォローは講師の方々、また私がその個人に対して全力でフォローするといったお約束しかできません。またレベルの差とは相対的なものであって、そこまで気にする必要はないのではとも思います。

Q  中垣さんは毎日朝から晩まで何年も杉浦先生の元で仕事をしてゆくなかで杉浦ミームを継承できたのではないかと思うのですが、週1回の講義で月ごとに講師が変わってゆくなかでミームを継承していくことは可能なのでしょうか?
A  正確に言えば、私は先生のミームを継承できた部分とできていない部分があると思いますし、近年よりそうした部分を感じる事もあります。ミームとはそういった物ではないでしょうか?完全に伝えきれない部分があるからこそ、その人自身で変化が起こり、また次の世代で変化する。私の事務所で働いていたが、今は独立し全然違うデザインをする人もいる。ですから私達は、限られた時間でなるべくミームを伝えるしかないでしょう。そして皆さんで解釈してもらい変化や進化させる。ただ回数や時間が多いだけでミームが多く伝わるとも思いませんし、社会人が通える学校には、現実的にも通える回数や様々な負担があると思います。今回は、なるべく体系的になるよう回数にもバランスを考え、多くのテーマや講師に触れてもらい皆さんのミームを受け取る種を刺激したいと考えたつもりです。またより具体的なご提案があれば取り入れていく民主的な学校にもしていきたいのでご提案下さい。

Q  今回の講師陣を見ると、比較的デザインの方法論が近い方が集まった印象を感じますが、一面的な方法論を信じてしまう事にはなりませんか?
A  まず私はデザインの中で信じられる人や物に出会えるのであれば、それは非常に価値があるのではないかと考えます。そして今回の講師達は小さな共通点があるという印象を受けるのかもしれません。ですが私が共感を得られない人達を無作為にお呼びしバラバラに教えていく事は、ミームデザイン学校の形ではないと思っています。とは言うものの今回、全然違った考え方を持っている方も少数お呼びしたいと思ったのも事実です。違った考え方の方が入る事で、その考え方が進化したり、より確かな物に発展する可能性もありますから。実は今回、スケジュールの都合などでお呼びできなかった方もいらしましたし、これからもお呼びしたい方もたくさんいらっしゃいます。

Q  産業構造の変革に伴う新しいデザインとは?
A  私にも解りません。しかしながら、公開講座のアンケートにも書かれている方もいますが、パソコンが生まれ、物質的な量も増えた現代でデザインの意味が、再び問われている時代の真只中に、まだ私達はいるのではないでしょうか?また様々なメディアが入り乱れる中で、これからのメディアの将来の在り方も皆さんと一緒に考える時だと感じています。

Q  モデルとしている過去の学校などはありますか?
A  特にありません。この他にもウルム造形大学を目指しているのかといった質問も少なからずありましたが、現時点では全く考えておりません。ウルムの成果はその後20年、30年先迄耐えうる方法論を確立し、また他分野にも対応できる物があったと認識しています。ミームデザイン学校とは全く比べられませんが、将来、私達のデザインに生かせる様々な種を見つけたいといった夢はもっています。

Q  社会構造や、その時代に求められるモノや伝えられるべきモノは歴史的文脈があると思います。そうした歴史や背景は各授業で語られるのでしょうか?
A  歴史や背景からお話しないと説明できない事は私達なりにご説明する必要があると思います。「フォーマットからレイアウトまで」や「製版・印刷とデザイン」、「言葉と文字、そして空間へ」の講座では歴史的な説明が必要になるのではないかと考えていますが、たった4回の講座ですので、退屈にもならぬよう必要最低限程度にとどめる予定です。今日を認識し、更に歴史的文脈があるからこそ、未来への文脈へ繋げられるのは確かです。

Q  ミームデザイン学校は長く続ける事を目指しているのでしょうか?
A  「ミーム=遺伝子」という名前をつけたのは当然、次の世代へ続けていきたいという想いを込めた為です。独立性を保つ為、スポンサーはついておりませんが身の丈の中で精一杯のことをして次世代へゆずり渡すつもりです。

Q  講師は「期」ごとに変わるのでしょうか?又「期」によって授業内容は変わるのでしょうか?
A  第2期の授業内容は未定ですが、変える必要のあるものは変えて行きます。講師の方々も変わるかもしれません。内容は充実している方が良いのですから。第1期は基礎課程で、視野を広げ様々なジャンルに対応出来る得るデザインの考え方を学んで欲しいと思っています。基礎課程の修了者は自分のテーマに合わせて、その後に開講する予定の研究課程で研究を深めて下さい。

Q  修了制作展など計画しているのでしょうか?
A  修了制作展は青山ブックセンターギャラリースペースにて開催しようと考えております。また今回の公開講座で松田さんがお話した出版活動などに関してもできる限り検討しています。しかし、それなりの成果が挙がればそちらに繋げたいと思います。




デザイン について
デザイン全般について過去のシンポジウム開催時に寄せられた質問の中から, お答えできるものを中垣なりにまとめてみました.

Q  デザインの文化レベルを上げるためには, 例えばモダニズムのような何か大きな一つの思想が必要だとは思いますが, そのように何かの土台がなければ, デザイナーの主観的な好き嫌いの問題に成り下がってしまうように感じます. その点についてどうお考えですか?
A  その通りです. その手掛かりを探すのが, ミームデザイン学校の使命だと思っています. 現代のデザイン, 特にグラフィック・デザインの分野では, 現代の科学や思想を充分に反映しているとは思えません. 他のジャンル, 例えば建築やインダストリアル・デザインの分野では, もっと現代のテクノロジーを取り入れているのではないでしょうか?その意味では, 視覚情報系のデザインはやや孤立し, 他の分野より立ち後れているようにも思えます. もっと思想や科学を反映したデザインが必要であるということは言うまでもないことだと思っています.

Q Designers republicのように, グリッドシステムの解体(逸脱?)されたレイアウトや本のつくりについて, 文字の扱い方をどのようにお考えですか?
A  デザインする上で伝統的な手法も重要です. しかし, 伝統を解体する事も大切な事だと思います. Designers Republicの活動はまさに伝統を解体する作業だと思います. (古平氏もそれに近いかもしれません)その中にも将来に何かの可能性を感じるものも有るのではないでしょうか?それが伝統となるか否かはみなさんが決めてゆくものです. 生物界の突然変異は, 異形として排除される運命にあるそうですが, 突然変異は進化にもなりうると思います. ご質問のグリッドシステムの解体は, 積極的にそのシステムから離れることに意味があるのではないでしょうか. 時には暴力的に.

Q  デザインの概念がより広範に拡張しているのを近年強く感じます. テレビでも「デザイン」をとりあげる番組が増えていますが, 表層的なものが多いように思えます. デザイナーのみならず, デザインを「受信」する側の教育(?)プログラムなども, 今後の日本のデザインのレベルを底上げ・充実させる上で重要ではないでしょうか?
A  デザインの発信者と受信者のバランスがとれてこそ, 成熟したデザインの社会が達成できるのではないでしょうか?それには幼少期からのより質の高い環境づくりが大切だと思います. 今日の大人達は余りにもそれに無神経ですし, その人たちがデザインの質を判断できる力量を持っていないのですから.

Q  表紙を作るときの基本ルールのようなものはありますか?
A  本文が縦組の場合は基本的に表紙も縦組になりますが, 近年は表紙は独立したものとして考えるデザイナーも多いようです. この背景には, 多くの広告出身デザイナーの方々がブックデザインの分野に進出していることや, 書店における表紙の位置付けが「看板」「ポスター」のように解釈されていることも関係していると思われます.

Q 本の内容に合った表紙のデザインに必ずするという自分の中でのルールはありますか?
A  自分のルールはありますか? 一言では説明しきれません. デザイナーによってそれぞれ違っていると思いますが, ミームデザイン学校では何人かの優秀な講師が, 自分なりのルールをお伝えする事になるのでしょう.

Q  目立つ(書店で手にとってもらえる)デザインはどのようなものですか?
A  (中垣)「目立つとは, その環境の中では異形である事です. 良い意味でも, 悪い意味でも. 良い例を1つ挙げます. エディション・ズールカンプ(Suhrkamp)の書棚を見たことはありますか?あれは1冊ごとの美しさももちろん素晴らしいものですが, 書棚に整然と100冊が並んだ時の虹色は圧巻です. 平凡社ライブラリーなどは, 平置きで目立つかどうかではなく, 100冊が並んだ時の体系だった美しさも意識して取り組んでいるものです. 」
>> Suhrkamp社ウェブサイト
(有山氏)「書店で目立つかどうかではなく, 自分の家の本棚においてもらったときにどのような佇まいを見せるか, の方を意識してデザインしています」

Q  単行本につけられている帯の役割はどのようなものですか?
A  日独の相違点を例に挙げて考えてみましょう. ドイツではあくまで本表紙が「本表紙」として認識されており, 本表紙から判断できない書籍の概略をカバーに記載しています. 日本ではそのカバーにさらに帯をかけ, 「概略の概略」を記載していることになりますが, 内容をわかりやすく要約しているため, 書店で書籍を選ぶ際の判断材料になるとされています.
ドイツにおいても「書店に赴き書籍を選ぶ」という環境は変わりませんが, 日本では幅広い客層が書店に赴くのに対し, ドイツではある程度知的レベルの高い層が書店を利用します. また, 日本で週刊誌などは書店で購入できますが, ドイツでは「週刊誌, 雑誌, 漫画を販売するKIOSK」「書籍を販売する書店」とに分かれています.
ドイツでは, 日本のメディアと違い, 広告目的のためではなく媒体編集者の判断で書籍が選ばれますが, テレビや新聞で書籍が議論の素材となることが多く, 書店における情報以外にも判断材料が豊富にあります. また, 質の高い書店員が多いため, 書店のPOPなどに頼らなくても目的の書籍にたどり着けます.
以上, ここでは挙げきれない文化的差異に起因する部分があるため, 一言で断言するのは難しい所ですが, 日本では, より幅広い読者層の注意を喚起するため, 書籍の内容をわかりやすく説明する「帯」が大切になっているのかもしれません.

Q 本が売れていないと良くいわれます. 製作を人件費の安い海外に委託しているという話も聞きます. このままでは, 安い制作費・短納期で受注せざるを得ず, どんどん装丁の品質が下がる, もしくは二極化してゆくと思います. 私たちデザイナーにできることは何でしょうか?
A  本の需要と供給のバランスがとれていないのではないでしょうか?同じような内容で粗製乱造された本が多すぎると思いませんか? 私たちデザイナーにできることは, 質の高い本を作り続ける以外無いのではないでしょうか? 将来どのような形で本が残るのかは私たちも充分考えていかなければならない重要なテーマでもあるのです.
また, デザイン事務所を経営する立場として, 制作費・納期の問題は重く受け止めております. 少しでもデザイナーに経済的・時間的な余裕ができるように顧客に対して積極的に交渉しています. 余裕があってこそ, 旅や美術館巡りなど, 新しいインスピレーションを得るための物理的・精神的な旅をすることができますから. デザイナーは文化を生み出す職業であって, 使い捨ての労働力ではありません.
そして, これは編集者の問題でもあります. 編集者はデザイナーと同様, 文化を生み出すことで社会に奉仕すべき立場にあります. 時間やお金がない事を理由にデザイナーを使い倒すのでは無く, 共に文化を育んでいく姿勢に立っていただくことを強く望んでおります.

Q  安い制作費・短納期で受注せざるを得ない現状では, デザインにおけるスピードと効率が求められると思います. 「効率化」という点で気をつけていることはありますか?
A  スピードと効率は, 結果のイメージをどれだけ早く掴めるかで決まります. 結果のイメージを掴むためには経験も重要な要素となります. デザインにおけるスピードと効率が求められるという点は, 数十年前と変わりません. 若いころの週刊朝日特集ページでは, 前日迄三日三晩徹夜で入稿したものが, その日の午後には駅のキヨスクに並んでいました. とにかく一つの仕事のことだけ考えていたのでは間に合いませんので, 手を動かしながら次の仕事の案を練る, という感じで, まさに全身をフル稼動していましたね. これはプロのデザイナーとして当然要求されるものです.

Q  デザインするときに, 知識や技術, 自身の意識等, 書籍と雑誌では何か違いはありますか?
A  書籍はある程度, 長期間耐えられる内容であるべきです. それに対し, 雑誌はその時その時を切る役割があるのです. ですから, 雑誌は常に新しい発見や古いものへの再評価の記事を提供する役割があります. それを成熟させるのが書籍なのだと思っております.

Q  アイデアのストック方法について. 色々なものを見ても, ここぞというときに出てきません. うまく自分の中に蓄積して, 必要な時に引き出すために普段心掛けていること等はありますか?
A  うまく自分がストックを引きだせないのは, ストックした知識が肉体化されていないからではないでしょうか. 血肉となり蓄積されるまで, 無駄と思えても続けてゆくことですね. 何時か自然と自分のものになります. あなた達はまだ若いのですよ.

Q  講談社現代新書のリニューアルについてどう思われますか?
A  リニューアル後の新しいデザインは好きではありません. 以前のデザインは文化でした. 残念です. 無責任なデザインの見本のようですね.

Q  MACで簡単にデザインができる時代とおっしゃっていましたが, 美大に行かず, デザインを志す人たちについてどう思われますか?また, 美大卒のデザイン, そうでない人のデザインに違いを感じることはありますか?
A  美大を出たからといって優れたデザインができるとは思えません. 何を勉強したかで決まるのです. 私は, デザインには遊び心が必要だと感じています. 子どもの時から創造力のある遊びができていたかが問題なのです. 創造力を伸ばす教育が必要です.

Q  活字とDTPの決定的な違いは何ですか?
A  活字や写植はソフト自体にルールが存在しましたし, 一定の秩序を保っていました. そうしなければならない事情があったのですが, ここでは割愛します. その分, 自由の利かないものでしたが, DTPはそれらの秩序から解放されました. しかし, 美しいものには, なぜその様になったのか, それなりの秩序が存在します. その秩序が無いとただのデタラメと言えるのではないでしょうか?「秩序」は自然の法則が良き教師になると思いますよ.

Q  きれいな文字組はどのようにして収得しましたか?
A  きれいな文字組は, 主に私の師, 杉浦康平氏に教えていただきました. それを又ミームデザイン学校で伝えていきたいのです.

Q  最近, フリーペーパーが多く出回るようになりましたが, これについてどうお考えですか?
A  金儲けだけのフリーペーパーはチラシと同じものでしょう. ただし, 有山氏が現在作っている北九州市のフリーペーパーは, 自治体の活動としても意味があるのではないでしょうか?

Q  自分らしいデザインとは何ですか?
A  自分らしいデザインは, 他人が持っていない自分だけの世界があるかということです. 羽良田平吉氏の美しい色彩などはなかなか真似のできるものではありませんね.

Q  「商業的に売れる」ことを, デザインする上でどれくらい重視していますか?
A  商品なのでもちろん売れることも重要ではありますが, マーケティング主導のデザインには異論があります.

Q  中垣さん, なぜ人のために何かをしようと思うのですか?優しく慣れるのはなぜですか?
A  長いことデザインの仕事を続けられた恩返しに, 若い人たちに何か渡せるものはないかと思っているからです. そして死ぬ前に明るい未来が見たいものだ, とも思っているのです. 私が開校しようと思っているデザイン学校も次の世代の人たちが続けてくれる事を願っています. デザイナーの地位がもっと社会で認めてもらえるように.

Q  デザイナーに女性が増えています. 男性社長+全員女性スタッフ, という会社も少なくありません. これは今後のデザインのあり方, 質に関係してくると思いますか?
A  有山氏の事務所はまさに男性社長+全員女性スタッフですね. 中垣事務所は半々です. デザイナーに女性が増えてきたのは, 「デザイナーは割に合わない」としてはじめから選択肢から外す男性が増えている現状があるのではないでしょうか?デザインの質に関しては男女関係ないですね. 問題は, 何かと厳しい労働環境ですので, 女性が出産等人生の転機を迎えた際に仕事を継続しにくい, ということが1つあります. しかし, 少人数のデザイン事務所でも, 補助金等を利用して託児所の設置を計画したり, 男性の育児休業を認めるところが出てきています. デザイナーに女性が増えてきたことで逆に男女共に労働環境の改善が進むことも考えられます.

Q  なぜ明朝なのか?
A  明朝体には歴史があり, 文字としての機能を考えた時に, 明朝体は読みやすいからではないでしょうか?ゴシック体は主に広告の為に作られた文字で, 見出しなどのディスプレイタイプと呼ばれています. 明朝体は欧文のローマン体, ゴシック体は欧文のサンセリフ体に近く, それぞれの書体の発展は同じような位置にあると思われます. 但し, 今日では, ゴシック体もサンセリフ体も美しいデザインのものができましたので, 充分本文に使っても読みやすく, 一概に広告用とは言えなくなりました.

Q  私自身も, ちょっとした調べものをする際にはWEBを使ってしまいます. 本が売れなくなる原因の一端にはWEBの存在もあるかと思いますが, 今後WEBと本はどのような形で共存してゆくのでしょうか?また, その中ではそのような本が生き残るのでしょうか?
Q  WEBと本の決定的な違い, それは情報空間の違いです. 本は, 一冊を読み通すことで体系だった知識を得ることができますが, 有限の世界です. WEBは無限の世界ですが, 1つのウェブサイトで本のように体系だった知識を得ることは難しいでしょう. WEBは目まぐるしい進化の過程にありますので, 全てのウェブサイトがそうだというわけではありません. このような両者の違いを見ると, 生き残る書籍に求められる内容と完成度が見えてくるのではないでしょうか.

Q  今の若手デザイナーに足りないものとは何でしょうか?
A  お金, これも大切. 私の場合をお話しましょう. 自分が自立するまで余り焦りませんでした. 学校を卒業して, 某大手代理店に就職したのですが, 杉浦先生からのお誘いもあったため, 10日でそこを辞めました. そして杉浦先生の弟子入りをし, 10年間無給で寝食を共にしました. (無給の理由は, 財布が杉浦先生と僕と一緒だったためです)その後独立しましたが, 鈴木一誌氏も僕も先生からは無限の教えを戴いているのだと思っておりますし, 今日の私があるのも先生のおかげです. そして先生に巡り合ったのは僕の運命であり, 幸いでありました. 皆さんにも, 良き師と巡り合うことがいかに大切かをミームデザイン学校で学んでほしいのです.

Q  私は今学生ですが, MACをいじってるとなんとなくそれらしくでき上がってしまうのが恐ろしく感じられます. それを打破したいのですが, どうしたら良いのでしょうか?
A  ミームデザイン学校で教えます. デザインの基本を身につけることです.

Q  低コストで質のよいデザインをするには, たくさんの時間と人員を要すると思うのですが, 人と人との関係性だけで解決できるのでしょうか?
A  時間と人員を要すると低コストにはなりません. なるべく少人数で, なるべく短時間にコストと質を満たすデザインをすることです.

Q  「デザインは広告が一番」みたいな風潮についてのお考えをお聞きしたいと思います.
A  それは, デザインの良否が経済的価値として計られているからでしょう. デザインは文化を担っているのです. しかし, スポーツ選手や芸人が文化人より上と考えている人たちも多くいるのは残念なことです.

Q  書体設計や用紙開発, 印刷技術について, デザイナーが提言できることはありますか?
A  提言できるとは思いますが, それなりの勉強をしている人はごく僅かでしょう. それを研究するのもミームデザイン学校の重要な課題と考えています.

ミームデザイン学校事務局
東京都新宿区西新宿 4-31-3-1010 中垣デザイン事務所内 〒160-0023
TEL : 03-5350-2801 FAX : 03-5350-2688 office@memedesign.org

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