09専門課程-3 「タイポグラフィーとレイアウト|写真集をつくる」(講師:鈴木一誌)レポート


写真・映画への深い理解と思想を併せ持ち、多くの素晴らしい写真集を手がけている鈴木氏。8回のワークショップを通して、グリッドシステムを用いた実践的なレイアウトなど、写真の価値を最大限に引き出す造本設計を学びます
日時|2009年11月14日〜2月6日(全8回) 
会場|カルチャーサロン青山 
講師|鈴木一誌 >>>講師プロフィール 
 

[第1回] 11/14
講義の流れ:レクチャー「写真集とは何か」 >>> 生徒実技「台割をつくる」 >>> 生徒プレゼン+講評「写真集の構造」
全8回の講義の流れ(写真家のゲスト参加、映画レビュー執筆、写真撮影、写真集制作など盛りだくさんの内容)を大まかに説明した後、鈴木氏がレクチャーを行う。タイトルは「写真集とは何か」。写真集と印刷技術の関係、デザイナーが写真集に取り組む意義、写真集を作る上での注意点など、「メディアとしての写真集」について歴史的、技術的な視点を織り交ぜながら語る。生徒実技は、台割づくり。鈴木氏の持参した写真集から、各生徒が一つを選び台割(レビューシート)を作成。写真集の構造について考えた結果をプレゼンし、鈴木氏の講評を受ける。




[第2回] 11/21
講義の流れ:生徒実技+プレゼン「見開き写真を組み合わせる」 >>> 最終課題説明 >>> レクチャー「写真の並べ方」 >>> 写真家:金瀬胖さんによる写真解説
前半は、写真集づくりで重要となる、「写真の並び」についての実技。雑誌から切り出した見開き写真で中綴じ風の冊子をつくり、偶然生み出される多様な写真の組合せを観察。また、荒木経惟「日本人ノ顔プロジェクト」を紹介しながら、写真の並びに自覚的になることを、鈴木氏が強調する。後半は、最終課題について説明。写真家:金瀬胖氏が撮り続けている千葉の写真から写真集をつくることに。この日は、金瀬氏本人も講義に参加し、素材となる写真一枚一枚について、丁寧に解説してくれる。素材への向き合い方を考える、生徒にとっては貴重な時間となった。




[第3回] 11/28
講義の流れ:レクチャー「写真製版について」 >>> 実技+プレゼン「写真の並びを考える」
前回までの講義を簡単に振り返った後、写真集における写真製版の重要性を鈴木氏がレクチャーする。写真集における「もう一人の写真家」、写真製版者の技術が写真集の出来を大きく左右する。奥行き感や遠近感を表現する職人芸をたくさんの写真を見せながら解説。次に、ゲストの編集者・郡淳一郎氏より、課題の説明がある。映画を観て文章を書く。後半は、各生徒が考えた金瀬氏の写真の並びをプレゼン。コンセプトを言語化することが求めらる。鈴木氏、ゲストの編集者、写真家・平嶋彰彦氏から講評を受ける。見開き順や横一列など、写真の並べ方を様々に変化させることで、関係性の中で変化する写真の見え方を観察した。




[第4回] 12/12
講義の流れ: プレゼン+講評「写真の並びを考える」
前回の続きから。一人ずつ、考えてきた写真の並びをプレゼンし、鈴木氏、ゲストの金瀬氏、平嶋氏から講評を受ける。「時系列」「再生と死」「社会批評」等々、様々なコンセプトが紹介され、同じ写真でも並びによって印象が大きく変わる。生徒の並びをみて、鈴木氏が即興的に写真を追加したり、並び順を変更するように生徒を促す。繰り返される並びの変更は、新たな着地点を見いだすまで続けられ、同じ写真でも別の可能性があったこと、別の印象になる可能性をもつこと、を教えてくれる。




[第5回] 1/9
講義の流れ: プレゼン+講評「写真の並びを考える」
前回までの写真を見る力を養う授業に続いて、今回は生徒が自分で撮った写真を並べてみるという実技。各自が年末年始の休暇中に、任意に決めた場所で撮影した写真から20点程度を選び並べ、鈴木氏、金瀬氏、平嶋氏から講評を受ける。生徒は、どこで撮ったか、テーマは何かを発表。生徒が並べた写真、さらに選外の写真から、他生徒、講師陣が幾つかピックアップして新たな組みあわせを考える。さらに5点に絞る等、写真の並びを考える様々な試みが行われた。
※会場は、通常のカルチャーサロン・青山とは変えて行われた。




[第6回] 1/16
講義の流れ: 文章課題の講評 映画『野菊の墓』を観て
編集者・郡淳一郎氏をゲストに迎えて、文章課題の講評会を行う。生徒が事前に提出していた、映画「野菊の墓」(監督:澤井信一郎,1981年)の映画解説を、郡さんが添削しその結果を発表した。文章課題は、20文字から400文字まで幾つか規定の文字数が定められており、生徒はその文字数ごとに、鑑賞した映画を再編集し、文章にまとめた。単なる好き嫌いを述べる感想ではなく、文字数という縛りを設けることで、自身の経験を客観的に見直して文章に纏めるという、「編集」の要素が盛り込まれた課題であった。講評では、テキストデータの作り方といった基礎的な部分から、文章構成や着眼点、言葉の選び方といった内容に踏み込んだ指摘までが出され、デザイナーとして言語やテキストにどう向き合うべきかを考える上で、示唆に富む時間となった。



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